求人の「社保完備」ってどういう意味?基礎知識をわかりやすく解説!

就職・転職活動にて求人情報でよく目にする「社保完備」。
求人情報を見る際には必ずと言っていいほど記載されていますが、どういう意味なのかご存知でしょうか?
本記事では、「社保完備」に関わる基礎知識を徹底解説します!
よく求人では見るけどあまり意味はわからない…という方におすすめの記事です!
ぜひ最後までご覧ください!
各社会保険の概要
この段落では各保険についての概要を記載します。各保険の違いに着目しながら読み進めてください!
雇用保険
労働者が病気や解雇など何らかの理由で失業した際、再就職先が見つかるまで一定期間分の失業給付金を受け取るための保険です。
失業給付金は本人に再就職への意思がある前提のもと、ハローワークで申請を行えば受給することができます。
ただし、受給には「基本的に会社都合による失業の場合は6ヶ月間以上、自己都合による失業の場合は12ヶ月間以上雇用保険に入っていること」1が条件になります。
負担額
一般事業の場合だと従業員(被保険者)が給与の0.3%、会社が0.6%を支払っています。※事業によって異なります
労災保険
仕事中、または通勤途中でのケガや病気に対して治療費や治療中の賃金を給付する保険です。
給付対象は「正社員・派遣社員・パート・アルバイトなど雇用形態に関係なく、すべての労働者が適用対象者」2となります。
負担額
会社がにて全額負担になります。そのため従業員の負担額はゼロ円です。
(これは、労災保険の加入義務は企業のみであることが理由です。)
健康保険
仕事以外でケガや病気をした際、治療費の補填により医療費の負担を軽くしてくれる保険です。
加入すると「健康保険証」(正式には健康保険被保険者証)がその事業所が所属する健康保険組合より交付されます。
病院に行った際、「保険証のご提示をお願いします」と確認されるかと思いますが、それは健康保険加入している証明になり、医療費負担が軽減できるからです。
例えば、保険証なしで病院にいくと医療費が10割自己負担となります。ところが、保険証があることで自己負担は3割のみで済むため負担軽減になります。(今日では、健康保険証はマイナンバーカードでも代用可)
また、健康保険の特徴としては以下もあります。
- 本人以外の扶養家族も加入可
- 出産に際して働けなかった分の給与を一部補償する「出産手当金」が給付3
- 病気やケガで働けなかった分の給与を一部補償する「傷病手当金」が給付
負担額
会社と従業員でそれぞれ半額ずつ負担になります。
厚生年金保険
厚生年金は、会社に勤める人が加入する公的年金のことです。
これにより、年金支給を受ける際、国民年金に上乗せされる形で支給を受けることができます。
その他にも以下特徴もあります。
- 障害を負うことがあった場合に支給される「障害年金」
- 本人や配偶者の死亡に際して支給される「遺族年金」
負担額
会社と従業員でそれぞれ半額ずつ負担になります。
ここまでのまとめは以下図を参照ください。

「社保完備」になる条件とは?
求人に「社保完備」と記載あっても、雇用形態や働き方によって加入できる場合とできない場合があります。
今回は、雇用者である雇用形態として「正社員」、「パート・アルバイト」、「契約社員」の3つを取り上げ社保完備の条件について記載いたします。
正社員
正社員の場合は、基本的に社会保険すべてに加入ができます。
パート・アルバイト
条件によって加入できる場合とできない場合があります。
健康保険、厚生年金保険
1週間の労働時間や1か月の労働日数が一般社員の4分の3以上である場合は加入可能です。
また、この「4分の3以上」に該当しない場合でも、以下図のC:記載の条件をすべて満たすことで健康保険と厚生年金保険への加入が可能になります。

雇用保険
以下条件にすべて該当した場合、加入できます。

※「学生ではないこと」に関して補足
上記でいう「学生」の対象は昼間学生を指します。
よって、夜間・通信制の学生は上記で指す「学生」対象外になり、雇用保険の加入対象になります。
また、被保険者に関する具体例(厚生労働省)によると、昼間学生でも以下条件に当てはまる方は例外的に加入対象に入ります。
① 卒業見込証明書を有する者であって、卒業前に就職し、卒業後も引き続き同一事業所に勤務する予定の者。
② 休学中の方(この場合、その事実を証明 学生・生徒等で、通信教育を受けている者・する文書が必要となります)
③ 事業主の命により又は、事業主の承認を受け(雇用関係を存続したまま)大学院等に在学する者。
④ 一定の出席日数を課程終了の要件としない学校に在学する者であって、当該事業において、同種の業務に従事する他の労働者と同様に勤務し得ると認められる方。(この場合、その事実を証明する文書が必要となります)
労災保険
パート・アルバイトともに加入可です。
契約社員
厚生年金保険、健康保険、雇用保険
パート・アルバイトと同様、就業時間数などで加入できるか・できないかが人によって異なります。
派遣社員の場合、「派遣先ではなく【派遣元】の会社で社会保険の手続きを行います。詳しくは派遣元の会社に相談」4してください。
労災保険
加入可です。
ここまでのまとめは以下図を参照ください。
厚生年金保険 | 健康保険 | 雇用保険 | 労災保険 | |
---|---|---|---|---|
正社員 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
パート アルバイト | △ 条件による | △ 条件による | △ 条件による | 〇 |
派遣社員 | △ 条件による | △ 条件による | △ 条件による | 〇 |
経営者・役員 | △ 条件による | △ 条件による | × | × |
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「社保完備」と求人に記載があっても、雇用形態によって加入できる社会保険が変わります。今度見る機会があった際、確認してみてくださいね!