定額減税って私たちにとって良い制度?仕組みとその影響を解説!
今年限定の制度である「定額減税」。
”減税”と言うと私たちには聞こえの良い言葉に思えますが、実際どうなのでしょうか?
本記事では、定額減税の概要と私たちの生活にどう影響するのかを解説します!
定額減税が適用になった背景
令和5年11月2日、内閣府が発表した「デフレ完全脱却のための総合経済対策」にて、定額減税の導入至った背景を以下の通り述べています。
- 「賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和するため、デフレ脱却のための一時的な措置として、国民の可処分所得を直接的に下支えする所得税・個人住民税の減税を行う。」
- 「過去2年間で所得税・個人住民税の税収が3.5兆円増加する中で、国民負担率の高止まりが続いてきたことも踏まえ、この税収増を納税者である国民に分かりやすく『税』の形で直接還元する」
尚、今回の制度により「3兆円台半ばの規模で所得税・個人住民税の定額減税を実施」するとのこと。
定額減税とはどのような制度か
定額減税とは、条件に該当する「納税者及びその配偶者を含めた扶養親族1人につき、令和6年分の所得税から3万円、住民税1万円」(※1)、計4万円が減税される制度のことです。
尚、減税前の税額が少ない方については「定額減税しきれないと見込まれる方には、
定額減税しきれないと見込まれるおおむねの額が1万円単位で給付」(※1)されます。
定額減税の適用対象者
「給与等の源泉徴収事務に係る 令和6年分所得税の定額減税のしかた 」(国税庁)によると、 以下2点です。
①国内在住者(令和6年分所得税の納税者であること)
②合計所得金額が1,805万円以下(給与収入のみの方の場合、給与収入が2,000万円以下)(※1)
上記条件のもと、扶養家族がいる場合は減税額が多くなります。
具体例は、以下を参照ください。
定額減税の処理方法
住民税控除はどのように控除される?
特別徴収の場合、2024年5月中に届く住民税特別徴収税額通知書に記載の金額を毎月給与から控除されます。
通知書の納税合計額は『定額減税「後」』(※2)の金額が記載されています。
ご自身の通知書が届いた際、確認してみてください。
通知書の見方については、以下記事を参照ください。
会社員なら知っておくべき!「住民税特別徴収税額通知書」の見方とチェックポイント(マナビト)
所得税控除はどのように控除される?
月次減税の場合
- 控除方法(前提:給与所得から控除する場合)
令和6年6月以降での給与または賞与から、3万円分が控除されます。
下記例でいうと 6月賞与のタイミングで、本来の源泉所得税額から3万円控除されます。
令和6年6月以降での給与または賞与から、3万円分が控除されます。
下記例でいうと 6月賞与のタイミングで、本来の源泉所得税額から3万円控除されます。
”誰が定額減税の対象となるか”でも述べたように、扶養家族がいる方はその分減税額が多くなります。
そのためひと月で控除しきれない場合は、全額控除しきるまで複数月にわたり給与・賞与から控除されます。
- 対象条件
「給与等の源泉徴収事務に係る 令和6年分所得税の定額減税のしかた 」(国税庁)によると、以下2点です。
①令和6年6月1日時点で在職
②給与等の源泉徴収において源泉徴収税額表の甲欄が適用される居住者の人(※5)
また、同資料よると以下条件の方は対象外になります。
・令和6年6月2日以降に入社
・令和6年5月31日以前に退職
・令和6年5月31⽇以前に出国し、日本国内居住者ではなくなった
・勤め先の源泉徴収税額表の乙欄、丙欄が適用
※甲,乙,丙欄の違いについて知りたい方は、以下URLを参照ください。
源泉徴収税額表の甲-乙-丙欄について(freeeヘルプセンター)
年調減税
- 控除方法(前提:給与所得から控除する場合)
①年末調整を行う
このときに会社側では以下2点を確認し、定額減税額の合計がいくらなのかを確定します。
・同一生計配偶者の有無
・扶養親族の⼈数
②①で確定した定額減税額を年末調整時に控除したうえで、最終的な源泉所得税額を確定させます。
つまり、年末調整後の給与では定額減税適用済の状態ということです。
図解にすると以下
- 対象条件
令和6年6月2日以降に入社
補足
月次減税と年調減税のタイミングを図解したものは以下になります。
まとめ
本記事では、定額減税の制度説明ならびに控除方法について記載しました。
所得税と住民税では控除方法に違いがあり、特に所得税は入社のタイミングで方法が異なるのが特徴的です。
今年限定の制度ではありますが、給与の手取りが少しでも増えるのは嬉しいですね。
この記事を踏まえて6月以降の給与を確かめてみてください!
参照記事